テレビゲームとギャンブルとの意外な関係とは?

最近の研究によると、テレビゲームとギャンブルの間には深い関係があるとわかっています。実は、テレビゲームは、潜在的なギャンブル依存症を引き起こす一因にもなり得るのです。はっきりとは証明されていないものの、ゲームとギャンブルには関連性があり、その意味を理解せずに両方をプレイする人は少なくありません。では、その二つの繋がりはどれほど深いのでしょうか。そして、それは悪いこと?それとも良いことでしょうか?

ゲームとギャンブルの分かりやすい類似点と言えば、ルートボックス(ガチャ)が挙げられます。最近では、好きな特定のアイテムを買う代わりに、ランダムに中身が決まる仮想のボックス、「RNGルートボックス」の要素を取り入れているゲームは多いです。お金を払って箱を開け、好きなアイテムが入っていることを期待する – こういった行為はまさにギャンブルそのものです。この方法により企業は直接アイテムを販売するよりも利益を上げることができるため、多くのゲームがこの販売モデルを採用しているのです。

しかし、専門家が指摘する類似点は他にもあります。ゲーム中に行われるさまざまな行為(トークンによる賭け、リアルマネーによるゲーム、ソーシャルカジノでの消費)も、ギャンブルと大きく関連しているというデータが新たに発表されています。また研究によると、これらの行為を行うプレイヤーは、「ゲーム障害」に陥っているケースが多いと明らかになっています。ゲームに熱中しすぎた結果、生活や健康に支障をきたしているのです。

ヨーク大学コンピューターサイエンス学部のデイヴィッド・ゼンダル(David Zendle)博士が行った研究によると、ゲームとギャンブルの間には、明らかな関連性が存在しており、私たちが想像しているよりもかなり複雑である、といわれています。ゼンダル博士によると、ギャンブルの要素を含んだゲームはギャンブル依存症を助長し、公衆衛生上の深刻な問題を生み出す可能性があるとのこと。

さらにゼンダル博士は、英国市民の約1100人の参加者を対象に、ゲームとギャンブル習慣に関する調査を実施し、年齢・性別・民族からの視点から考察を行いました。その結果、参加者の多く(18.5%)が、ソーシャルカジノゲームをプレイしたり、ルートボックスにお金をかけたりするなど、ゲームとギャンブルの両方に関連する行動をとったことがある、と判明したのです。

ゲームとギャンブルの関連性における最大の問題は、原因となっているゲームの仕組みが、日本などのギャンブルが違法な国を含め、現行法の抜け穴によって賭博法に接触しないことです。例えば、ソーシャルカジノは、プレイする際に実際のお金を使わず、賞金は現金に換金できないため、厳密にはギャンブルに当てはまらず、ギャンブルの真似事とされています。

こういったギャンブルとゲームの類似性に対処するためには、世界中のすべての国がより適正な規制を設ける必要があります。ゲームとギャンブルの二つが問題となるのは、ルートボックスやソーシャルカジノだけではないため、今後さらなる研究も必要です。

近頃、ゼンダル博士および研究チームは、英国の下院特別委員会が実施した調査に協力し、その結果、ゲームのルートボックスも賭博法で規制すると同時に、未成年の利用を禁止することを求める報告書を提出しています。こういった取り組みは、日本でも必要となってくるでしょう。ギャンブルもゲームも、適切な規制のもとでは良い娯楽になるため、政府による早急な対策が求められているのです。